第二部第八回
「何が幸せか!?パート2」
前々回、学長にお話しをお伺いしていた「何が幸せか!?」の続編をお送りしたいと思います。社会が大きく動き、価値観が変わり始めているこの世の中をどう生きるか…「幸せ」の受け取り方を探って行きたいと思います。
編集部(以下、編):一回空いてしまいましたが、今回も「幸せ感」についてお聞きしたいと思います。
菊地トオル学長(以下、学長):わかりました。「幸せ」と云うのは人それぞれです。でも個別相談をお受けして行く中で、「もっと違う観点でものを考えれば楽になるのに」と思うところがたくさんあります。もし皆さんの中で、何となく「幸せ感」が少ない!と感じている方がいらっしゃったら、いくつかの点をチェックしていただきたいと思うのです。
編:それは嬉しいですね。どのような点に注意したらよいのでしょう。
学長:はい。まず最初に「チェック」するのは、「自分が何で幸せ感を持てていないのか」を「具体的に」考えることです。恋愛、友人関係、家族関係などの人間関係もあるでしょう。就職、職場などの仕事関係の問題かも知れません。才能に関すること、病気等々、いろいろな事柄があるでしょう。これらが交じり合って「悩み」を生じます。そしてその「悩み」がなかなか解決できなくて「幸福感が持てない」パターンがほとんどです。
編:それを解決することが大切ですね。
学長:そうです。人間と云うのは面白いもので、成功することだけに幸せ感を持つものではありません。幸せ感にはいくつかのパターンがあります。大きくわけると「成し遂げた結果の幸福感」「成し遂げる過程で感じる幸福感」「成し遂げられなくてもその努力に満足する幸福感」となります。「幸せ感」が少ないという方は、これらを逆に考えることで「問題点」が分かって来ます。「目標設定したのに成し遂げられなかった」…挫折感があることでしょう。でも何故、その時点であなたは「成し遂げられなくてもその努力に満足する幸福感」も得られなかったのか、と云うことを考えます。
編:そうすることによって、どこに問題があるかが分かる…
学長:その通りです。人が「悩む」のにもパターンがあります。これは「悩みの構造」と云うことで以前お話ししたことがあると思いますが、「悩み」は「到達しようとする自分」と「今の自分」とのギャップから生じます。つまり分かりやすく言うと「好きな人がいる。でもまだ相思相愛になっていない」と云うことです。「相思相愛になりたい自分」これが未来の姿です。でも今は「まだなっていない」このギャップが悩みの原因となります。冷静に考えれば、相思相愛になるように努力すれば良いのですが、まだ「結果が得られていない」。「ダメだったらどうしよう」となるわけです。
編:わかります。充分わかります(笑)
学長:ですから「良い結果が出るように最良のプロセスを考える」「プロセスを後悔しないようにする」そして結果が良くても悪くても「納得できる」ようにすることが大切です。その「目的達成までのやるべきこと」「過程」「その結果得られた自分の努力」を一つずつ満足できるように積み上げることで「幸せ感」が出来上がってゆきます。先ほどの3つのパターンのどこで満足するかと云うことです。すべて満足出来るのが一番いいんですが…
編:一気に何でも手に入れようとしてはダメなのですね。でもお金などのように「いくらあっても困らない」というものに対しては満足が得られないのではないでしょうか。
学長:鋭い!(笑)目標には「限度がない」ものもあります。病気などは自分でコントロール出来ないものですから無念も多いとは思います。でも病気でも、どこまで満足できる「こと」をしたかによって最後の感覚は大きくちがって来るでしょう。ですから、すべてのことにおいて大切なのは、幸福の反対になることを「どこまで減らして行けるか」なのだと思います。物事は起こってしまってからでは対策も解決も難しい。だから人生のリスク・マネージメントが大事なのです。私は未来創学アカデミーをその一助だと考えています。「今までとは別の視点でものを見る」ための基準となる考え方です。これを知っておいていただきたいと思います。さっき「お金」のことが出ましたが、つい先日の新聞に「人間が幸福感を実感できる年収の上限は900万円」であると云うアンケート結果が掲載されていました。この金額を超えてゆくと、あとは「いくらあっても足りない」という飢餓感になってゆくという記事でした。これは人間全般に言える「真理」と云うわけではないでしょうが、現在の日本人の持つ感覚なのだと思います。「限度額がある」というところが興味深いのです。「いくらあっても幸せ!」と云う結果でなかったことに、日本人の健全さを感じました。皆様もお金だけでなく、人生、生活をするにおいて「前もって予測し、準備する」ということを「意識」していただければと思います。それによって「目的達成までのやるべきこと」「過程」「その結果得られた自分の努力」すべてが満足できるようになると思います。
編:今回もありがとうございました。