◆日本が崩壊寸前にまで来ています。物作り産業は海外へ移転し、ますます国内の仕事は減ってゆきます。政治の油断から生まれた財政赤字は私たち一般国民には直接原因がないにもかかわらずそのツケが増税という形で回され、医療保険システムは崩壊し、人生の終末を支える年金は行政の無駄遣いの末、破綻しています。皆さんは、こんな日本の将来に希望が持てますか。夢を語れない社会は完全に行き詰まり、破綻を迎えるのです。
◆・・・と、厳しい調子でスタートしてみました。しかしこれはあながち「単なる脅かし」とは云えません。最近、私は強く訴える必要を直感しています。それが何かといえば「まだ明日、食べるものに困っていない今のうちにこの状況を打破する意識を一人ひとりが持たなくてはいけない」ということです。本当に、今、私たち日本人、人間一人ひとりが「気付く」最後のチャンスなのだと思っています。この問題は、実は日本だけの問題ではありません。世界的に経済を含め、破綻前夜といってよいのでしょう。まわりに目を向けて下さい。米国が武力行使を以って関与したアフガンやイラクは未だに混乱が続き、収束の糸口さえも見当たりません。アフリカ北部で連続して勃発した「民主化」といわれる暴動はその方向性を失ったままでいます。長い歴史を誇るヨーロッパは財政問題にあえぎ、ユーロ経済圏は崩壊寸前です。世界の覇権を得ていた米国すらその力に翳りが見え始めました。
◆私はこれらの世界的混乱を既に30年前から予見していました。細かい政治・経済の問題は別にして、人間の混乱は予想されていた事柄なのです。その根本的原因は何か。それは人間の意識の変化です。宇宙的進化に伴う考え方の変化が急速に高まるために今までの価値観に疑問が生じ、さまざまな問題点が表面化している、と言ってよいでしょう。これらの混乱は、進化に伴い必然的に生じた混乱なのです。即ち本質的には「良いきっかけ」とも云えるものなのです。混乱を「良い」と表現するのも変ですが、今の人類にはこれらの「難しい問題を解決する能力が備わった」と考えてもよいでしょう。ある一つの「機が熟した」と云えます。そうとは云え、現実には、これらのすべて問題解決には困難も付きまといます。それが「変化への拒絶反応」です。人間は今まであったものを変化させることをあまり好みません。それが楽なものなら楽なものほど手放すことを嫌がります。既得権益を持った人間がそれを容易には手放さないようにです。それでも意識が変われば一夜にして変化は訪れるのも事実です。問題はすべて「気持ちの持ちよう」ということになります。「変えようと思えば変えられる」ということを、まずは心に刻むことが大切です。
◆人間の意識が変わってゆくために大切なものがあります。それは「好奇心」です。「さまざまなことに興味を持つ」ということ。今、皆様の気持ちは色々なことに「興味津々」ですか。よく「思いは必ず叶う」と云われます。これは真実でしょうか。皆さんもお分かりの通り、物事は、頑張れば必ず叶うというものではありません。しかし逆は真理なり。思いを持ち、やり始めなければ絶対に夢は叶わないということです。
◆宇宙には、人間の生活を豊かにするためのさまざまな知恵があります。それは人間的利害を超えた考え方であり、「地球人類の都合」を超えた生き方を示してくれることがあります。未来創学論は、それらの知恵を地球レベルで実用化できるものに集約して表しています。それらが「成長の三原理」であり、心のあるべき姿を定めた「五原則」であり、人間の陥りやすい欠点を示した「不幸原理」です。不幸原理の中に「言われなき束縛」という一項目があります。人間の持っている価値観が如何に偏っていて、バランスを欠いているかを指しているものですが、その原点は、多くの価値観は「ある一方の価値観」であり、それらがすべてに通用するものではない、というところにあります。長きに亘る中東イスラエル・パレスチナ問題が最近また表ざたになってきました。パレスチナは国連に自分たちを「国」として認めるよう申請し、それに反対する国が妨害をしています。どちらが正しいのでしょうか。実はここに落とし穴があり、すでにこの「問いかけ」が間違っていることに気付かなければいけません。「どちらが正しい」のではなく、「何が問題なのか」を問わなくてはいけないのです。とかく人間は、「どちらが正しいか」で争います。しかし、そのほとんどはそれぞれの主張の通し合いであり、真理を争うわけではありません。一方の価値観の都合や利益を中心に争われます。根本の規準に問題があるということです。
◆宇宙の知恵は「共生」が前提になっています。「どちらかが生き残る」ための知恵を絞るのではなく、「双方が生き残る」ための知恵を絞ることが真理です。中東問題を初め、あらゆる問題を考えるとき、「何が問題になっているのか」という点を「共生」を基本にして考える必要があります。まずは「否定から入ること」をやめることです。「肌の色が違うから嫌」「言葉が違うから嫌」「食べているものが違うから嫌」「やり方が違うから嫌」「宗教が違うから嫌」…。思い当たりませんか。これは中東問題などという大きな問題に限らず、我々の人生にいくらでもあることでしょう。「否定から入る」という意識を少しでも変えることが問題解決の第一歩です。一緒に暮らすには何が出来るか。肌の色は変えられませんが、生活の習慣は合わせることが可能かもしれません。食べ物は、暮らす場所によって出来るものが違いますから、自分は食べなくても「あんなものを食べている」という偏見を捨てれば済むことです。宗教が違うのなら宗教を捨てればよいのです。そこまで出来なければ、それぞれの宗教の教えに「相手を理解し、許す」という教えは必ずあるはずです。それを守りましょう。経済原理も誤解をされています。経済は「相手が喜んではじめて成り立つ」というのが真理です。自分だけ一方的に勝ち続けることは有り得ません。ですからお金でお金を得るという金融経済のように、自分が勝つためには、必ず負ける人間がいるというというシステムは経済に取り入れてはならないものなのです。次に重要なことは「自分の価値観が絶対ではない」という立場を常に持つことです。「それが常識だ!」という言葉をよく使います。同じ価値観を持ち合わせていればこの言葉はまったく問題なく使えますが、文化や歴史が違ってくれば「常識」もまったく異なることでしょう。それでも理解しあわなくてはならない場合、やはり根底に必要なのは「共に生きる」という『常識』でしょう。「否定から入るのをやめる」「自分の価値観は絶対ではない」という意識改革をすることにより、社会や世界の変革は一気に良い方向に向かいます。
◆しかしながら、これらを実行することは「極めて難しい」ことでしょう。なかなか実行できないかもしれません。・・・という考えそのものが「言われなき束縛」です。「難しい」と考える前にやってみることです。ただそれを実行するときに苦痛ばかりではやはり無理ですし、長続きはしません。物事を変化させるには、また自分が変化してゆくには「楽しさ」が必要です。楽しさを生むものは何でしょう。それは「興味」です。関心がなければ興味も理解も生まれてきません。興味が湧き、理解が深まれば、そこに楽しさが生まれ、楽しくなれば「排斥、排除」という考え方が激減してゆくものです。
◆私には一つの危惧があります。それは最近の日本に、この「興味」という感情を持つ人が減っていると感じるからです。勿論、多くの人々はまだまださまざまなことに興味を持っていることでしょう。しかし、超能力の目で社会を眺めると、明らかに人々が好奇心を失くしてきていると感じています。簡単に言えば「オーラのある人が減っている」と感じています。好奇心が薄れ、物事に興味を持てなくなってくると「楽しさ」が激減します。
そうすると、発想が貧弱になり、活力が減ります。人間一人ひとりのパワーが落ちるということは、政治のパワーが落ち、経済のパワーが落ち、すなわち日本のパワーも落ちてゆきます。この感覚が、冒頭申し上げた、「日本が崩壊に向っている」ということに繋がってきます。
◆皆さんは今、生活の中で「あれをやってみたい!」「こんな生活をしてみたい!」「あんなものが欲しい!」…。このような感覚を強く持っているでしょうか。「お金は欲しいよ!」とおっしゃるかもしれません。しかし、それは違います。人生を楽しむための「何か」を熱烈に欲しているか?と云うことです。今まで何回も繰り返していますが、戦後の日本は、まさにゼロからのスタートでした。そして物質的に豊かであった米国というお手本もありました。物質的な発展は人間の感覚に直接的に快感を与えますので、非常にわかりやすいものです。給料が上がれば食べ物や品物が買え、生活が楽になる。物が増えれば豊かな気分に浸れる。機械が自分の代わりにつらい仕事をやってくれる。すべてがバラ色に感じられます。しかし、宇宙の「バランス」というのは絶妙に働くもので、物質的な発展ばかりに偏ってしまうと精神的な欠乏感が生じてしまいます。本来は人それぞれ生き方の違いによって「幸福感「や「満足感」の規準は違っているものですが、それが周りから見ても、自分で見ても非常にわかりやすい規準、「物の多寡」で幸福を量るようになってしまいます。こうなると精神的に押さえようがなくなり「持てる者は幸せ、持たざる者は不幸」という精神的な落ち込みの始まりです。今の日本はこのような感覚に陥り始めています。今の日本には見本とする国、目標とする国がなくなってしまいました。それだけ発展を遂げたということですから、本来は誇らしいことだと思います。こらから先必要なことは、「次は精神的な発展を遂げる」ということです。前人未到の領域です。「物質的な発展を遂げ、それにバランスする精神的な発展を遂げる。」何と素晴らしいことではないでしょうか。これが次世代の日本の大きな目標です。ある種、宗教においては、「物質的な欲は捨てるべき」と説かれます。しかし、これは宇宙の真理に反しています。今の地球人の進化段階においては「物質は必要なもの」であり、捨てるべき対象ではありません。宇宙の真理は教えます。「必要な欲でも、それを押さえる理性を持て」と。それが不幸原理で表される「行過ぎた物質欲」の抑制です。先に記したとおり、物質欲は満たされたときの満足感が非常にわかりやすいものですが、反面その欲望に火がつくと際限なく追い求めてしまうという危険性も持ち合わせています。そしてどこからどこまでが必要な物質欲で、どこからが行過ぎた物質欲なのか、と云う明確な基準はありません。それはすべて、自分の心の中にあります。物質欲の規準は「自分で創り、自分が抑制」しなくてはならないものです。大変ではありますが、もし自分がこの「物質欲」という本能をコントロールできたときは、格別な満足感を得られることでしょう。
◆今年の年間キーワードは「取捨選択」です。地球の波動が皆さんを後押ししている流れです。今こそ必要なもの、いらないものを判断する癖を付けてみる時期です。「否定から入るのをやめる」「自分の価値観が絶対ではない」そして「行過ぎた物質欲を抑制し、分け与える」この3つが揃うとまた日本に発展が始まります。それもこの地球上で誰も成し遂げたことがない発展です。その為に、まずは好奇心を持ってさまざまなものに興味を持ちましょう。興味を持つと、その対象を「知りたく」なります。「知る」と相手を理解することが出来ます。また自分の価値観のアンバランスに気付くこともあるでしょう。自分を省みることができます。そして知恵が増し、視野が広がった自分が社会や世界を眺めると、また違ったものが見えてきます。そこに楽しみが生まれ、また興味が湧いてきます。ここに成長のスパイラルが生まれてきます。今年の日本は大災害から始まってしまいました。世界もバランスを欠いています。皆さんから変わって下さい。
◆好奇心は日本を救います!