日本周辺が騒がしくなって来ました。急に日本を取り巻く領土問題が騒がしくなっています。原因はまさに日本政府の弱体化が根本にあるでしょう。相手国にしてみれば、今年はアメリカ大統領選挙も佳境に入り、日本への影響力は低下しているし、また当事者である中国ももうすぐ首脳が変わり、ロシアは大統領が返り咲き、韓国も来年早々に大統領選挙ということで、各国政治が変化する時期にあり、自国都合による政治闘争が日本への風当たりを強くしている側面もあります。世界を見てもフォークランド諸島ではイギリスとアルゼンチンが争い、カシミール地方を巡りインドとパキスタンが戦争をし、パレスチナを巡っては常に中東戦争の火種になっています。また戦争とまでは行かなくても、南沙諸島では中国、台湾、ベトナム、フィリピン、マレーシア、ブルネイが複雑に権利を主張しています。これらも含め、人間の営みのほとんどは権力欲と物欲に突き動かされるもののようです。領土問題に関わる最近の世論調査によると、「強硬に対抗する」と「粘り強く対話する」がほぼ半々という結果が出ているようで、転がり方次第で日本も決して安全、平和な国とは言いがたくなってしまう状況に立たされています。 日本人は温厚な民族といわれて来ましたが、最近ではそうともいえない現状があるようで、領土問題や昨年から続く原発問題等においても右か左かというステレオ・タイプな言動に動きやすくなっている傾向が見えます。
未来創学アカデミーで学んでいただきたい根本的考え方は、「基本は何なのか」ということです。逆に言えば、未来創学的価値観を得ることによって、判断基準が明確になり、能力開発によって「先を読む」力が備わるということです。講演会などで未来創学論をお話しさせていただくと、少なからず「未来創学アカデミーに入ると何の得があるのですか?」というご質問をいただきます。そのときにお相手から感じるエネルギーはほぼ「現世利益」という欲求なのですが、これはよく理解できます。我々人類は長い年月をかけてさまざまな宗教によって「洗脳」され、「神仏を敬うことは良いこと!」「神仏を信じれば良いことがある!」と教え込まれているのですから致し方ないことかと思います。私の提唱する「未来創学論」はそもそも宇宙情報をこの地球人類のパターンに当てはめて、実社会に生かす、というものであり、宗教のように「信じる」というよりも「探求する」ものであり、実社会に直接役立たせる実践理論である訳です。人生に山あり谷ありは当然で避けることはできませんが、「谷」の部分を減らしてゆくことが出来れば人生は大分違ったものになるはずです。「未来創学論を学ぶと何の得があるか」のご質問には「人生をより良くするための判断力と予測力が身につきます」とお答えしています。例えば、原発問題にしても以前から申し上げているのは、原子力の利用に反対というよりも、「核廃棄物が無害化出来ないならばその技術は使用してはならない」という原則です。人間として新しい技術を発見し、研究することは当然のことですが、それが人類にコントロール出来ないならば、出来るような技術を確立するか、実用化を断念するという判断をすべきです。今回の件で政府は「○○年までに何%にするのがよいか?」という選択肢を議論させています。何年までに、という数字を提案する前提には、「それまでに全電気使用量の30%にまで達してしまった原発エネルギーに変わるエネルギーを何年後までに幾らかけて開発する」という具体的提案が必要です。しかしながらまだそのような提案や予算は発表されていません。これでは判断すらできません。また54基も建造してしまった原発を解体する技術すら人類は持ち合わせていないのです。これらは戦後のエネルギー政策問題にまで遡ります。事実として日本人は1970年代に原発の実用化を許してしまいました。ほぼ50年前の判断間違いが現代の日本人を放射能汚染に晒しているという現実です。だからこそ基本を考えた判断が必要だと説いているのです。今、我々が行う判断が50年後、100年後の人類に大きな影響を及ぼすということです。 未来創学アカデミーで行うセミナーなどの根本には成長の3原理、人間に必要な心の5原則、そしてマイナスに陥りやすい性質としての不幸原理があります。これらを知ることによってバランスの良い判断をしていただこうというのが未来創学アカデミーの大きな目的の一つです。その不幸原理の中に「言われなき束縛」というものがあります。外部からの影響を受けて判断が鈍ってしまうことを「洗脳」と言います。そして反面「思い込み」という、判断を鈍らせる要素を人間は持っています。人の言うことを聞かずに思い込む。人の言うことを自分の考えなしに受け入れ洗脳される。とかく人間はこのようなややこしい性質を持っています。どちらも困ったことです。この中でも「思い込み」は判断を鈍らせる大きな要因です。本来ならば注意すべきところを、「注意しなくても大丈夫」と考えてしまう。想定しなくてはならないところを「その必要はない」と根拠なく思ってしまう。まさに思考停止状態です。人間は案外この「思い込み」で行動することが多く、ですから宇宙情報にも、この性質を注意するように指摘があるのです。それだけ人間は洗脳されやすく、思い込みやすいということでしょう。この欠点を意識するだけで相当な思い込み、洗脳の軽減になります。「知ると、知らずとでは大違い」ということなのです。 思い込みで失敗をしたことはありませんか? 皆様には是非、この「思い込み」にご注意をいただきたいと思います。
さて、話は少し本題から離れますが、このコラムの冒頭にて現在の政治状況を書きましたが、近々衆議院総選挙が行われるような気配になって来ました。いずれにしても現在の議員の任期は来年の夏までですからそれまでには確実に解散、選挙が行われるのですが、さて皆様はどのような意思表示を行うのでしょうか。選挙となるとメディアは「国民の意思を示すためには権利である一票を投じよう!」と大々的に呼びかけるでしょう。まったく当たり前の意見です。しかし、よく考えて下さい。良く知らない人物、まったく知らない人物に一票を投じて何の意味があるかということです。ではどうすればよいのか。候補者を知ることです。立候補する人は街頭演説などで自分の主張を訴えています。必ずどこかで演説会を開いたり、現職議員であれば国政報告会なども開いています。そういうところに出掛けていって、積極的に理解し、質問してみましょう。必ず答えるはずです。そこで人間性に触れ、主張に触れ、判断材料にしてから投票に行って下さい。適切な人がいないと判断したなら「該当者なし」とか白票を投じることも出来ます。その結果、特定の団体が押すような候補者だけが当選したりすることもあるかもしれません。それが現在の日本人の民度ということになります。
原発のように、後から騒いでも取り返しのつかないことがあります。それは過去の日本人が行った判断の結果です。今を生きる人間はそれを受け入れて生きていかなくてはなりません。過去は現在に、現在は未来に繋がっているということです。少しでも判断の正確性を上げる努力をしてゆきましょう。それが未来に地球を引き渡す我々の責任です。