☆人の気分を盛り上げるコミュニケーションのコツ!


 まだまだ寒い日が続いていますが、そんな中にも少しずつ「春」の日差しが感じられるこの頃です。

 社会的にも、現政権の支持率が70%になったとかで、昨年に比べると少しは気分的にも軽やかになってきたのかもしれません。それにしても、言葉やコミュニケーションというものは面白いものです。やり方によって同じテーマにおいても天と地ほどの差がつきます。例えばTPP。昨年まであれほど「聖域なき関税撤廃」が前提といわれたTPPが、今年に入り、政権が変わった途端に「聖域あるかも!?」になってしまいました。正確にいえば、「聖域がある」とはまったく言っていないのですが、少なくとも日米の文章において「聖域があることを承知している」と記入されたことは変化ではあります。景気においても、恐ろしいほどの株安と円高に襲われていた昨年末がうそのように株高、円安に向かっています。まだ何一つ変わったわけでもないのにです。状況というのは「発する言葉、人」によってこれほどまでに違ってくるのかという実例を目の当たりにした気分です。

 また、最近テレビなどでよく目にする「芸人」と呼ばれるタレントの方々。コントや、漫才などは何年かに一度、波のようにブームがやって来ます。彼らもここのところはバラエティーなどでお目にかかることが多く、あまり本業の「芸」を見ることは少なくなってしまったことは残念ですが、コント・漫才なども言葉の遊び、コミュニケーションの「妙」が楽しめる技の最たるものといえるでしょう。楽しめます。 かように言葉は楽しく、大切なものです。物事を動かすにも、進めるにも「コミュニケーション」が重要です。

 言葉の使い方、コミュニケーションにもやり方、コツがあります。それを間違えると、前述いたしました実例のように、その結果は天地の差がつき、相手を怒らせ、落ち込ませ、そしてその結果、自分の不利益となって返ってきてしまうことが多々あるのです。特に最近はメールやツイッター、ライン等々の、短文での伝達手法に慣れてきて、自分の気持ちを「言葉」で伝えることが苦手になってきている傾向もあります。ですから社会に出た後で、営業や交渉、政治家で言えば外交などが稚拙になってきたりします。コミュニケーションというものは、人と人との関わり合いにおいて、もっとも基本の部分ですので大切にしなければならないことは言うまでもありません。何よりもその前提となるのは「言葉は人間のエネルギーを伝えるもの」という認識です。ですから理論で相手を説き伏せるものでもありません。「心をこめて言葉を使う」ということも大切にしていただきたいのです。

 さて、コミュニケーションに絶対欠かせないコツが二つあります。まず第一に「相手の立場をよく理解すること」そして二つ目は「伝えたいことを相手が理解したかどうか確認すること」です。

 「相手の立場をよく理解すること」とは、これを言ったら相手の立場がなくなり、またはプライドが傷つき、こちらの意見を理解するどころか、逆に受け入れなくなる、ということを考えながらコミュニケーションすることです。現在、日本は中国と尖閣列島問題でかなり危険な外交状態にあるといえるでしょう。その直接原因となったのは、昨年の野田元総理の「国有化宣言」からです。両国の「ことの善し悪し」は別にして、問題は相手への配慮にあるのではないでしょうか。メディアによると「昨年、日中両首脳は首脳会談をすることなく、廊下で数分立ち話をした。その際に中国側から国有化の発表は控えて欲しい」との申し入れがあったといいます。その二日後に野田元総理は国有化を発表しました。ここに日本側に認識の甘さがあったといわれています。最近の分析では「廊下での立ち話はりっぱな首脳会談であり、かつ中国の国家主席の地位は、日本の首相とは比べ物にならないほど権威的であり、権力がある。日本で言えば天皇に匹敵するくらい」だといわれます。その、国の権威を軽いく見られたと感じたらどうなるでしょう。日本に置き換えてみたらすぐに理解出来るでしょう。日本側にも言い分があるでしょう。しかし、相手のプライドを著しく傷つけたことは、結果日本も窮地に落ちることになってしまっています。自分の正論が如何に正しくても、相手の立場を考えずに発言すると失敗する典型例とも言えるでしょう。言葉を発するときには「相手のことを配慮する気持ちが大切」ということです。

 二つ目の「伝えたいことを相手が理解したかどうか確認すること」も大切です。人はとかく自分の言いたいことだけを相手にぶつけがちです。話しは少し逸れますが、「約款」などは典型的な例でしょう。保険に入るときに渡される分厚くて、字の極めて小さい約款は読む気にもならない方がほとんどではないでしょうか。皆さんが遊びに行ったときに泊まるホテルや旅館にも宿泊約款があります。旅行を申し込んだときには「旅行業約款」があり、飛行機に乗るときには「運送約款」があります。これらはすべて「了承」したことになっています。もしこれらを了承しない場合は飛行機に乗ることもできません。一方的に、目を通すことさえ困難なこの契約を了承したことにされるのです。これはまさに「非」コミュニケーションの典型だと思います。最近はさすがに裁判において、この約款条項の適用が拒否される判決が出て、ほんの少しだけ改善の気配も見られるようになりました。話を元に戻しましょう。コミュニケーションにおいては、このように自分の言いたいことだけを話して、「そのことは話してあります」と言っても通じなかったり、結局はトラブルになったりすることも多いものです。結構思い当たりませんでしょうか。コミュニケーションは相互通行なものです。事実、必要なことを話していたとしても、相手に伝わっていなければ「話していない」と同じことなのです。ここにも二つの問題があります。話しても「相手が聞いていない」こと。そして話しても「相手が理解できない」ことです。だからこそ確認が必要なのです。相手が聞いていなければ、「聞くように仕向ける。」「聞いているかどうか確認する」のです。相手が「理解できない」のならば「言葉を変える」必要があるでしょう。

 このようにコミュニケーションは、「相手の立場を考えること」と「相手の理解を確認する」ことによって格段に旨く行くのです。そしてそこに「心がこもっている」なら尚更素晴らしいことです。なかなか明るくならない現代ですが、友人や家族、職場のコミュニケーションは楽しく、充実したものにしたいものです。是非実践を!