皆様は上の絵をご存知でしょうか。
今、この絵がちょっとした物議を醸しています。
これは、米国コロラド州で開かれたアートコンテスト公募展のデジタルアート部門で1位を獲得した作品なのですが、実はこの作品、テキスト(入力された文字)から画像を生成するAIプログラム、Midjourneyが描いたものなのです。
つまり、人間がタッチペンなどを使って「絵を描く」のではなく、イメージとなる文字を入力すると、AIが勝手に数分で絵を描くというものです。
例えば「海=Sea」と入力すると海の絵が描かれてくるというソフトを使ったものでした。
この、人の手で描かれていない作品が1位を獲得したことが分かった後には、アート界で賛否両論が巻き起こっているようです。
「唯一残されたアートの領域までデジタルに犯される」「もうアーティストは必要なくなった」などと言う声も多いようです。
反面、「どんな文字を入力するとどんな絵になってくるのかという特定の規則性はない」ので、「これも芸術性がある」という意見もあります。
ちなみにソフトにもよるようですが、「海」という文字を入力し、一旦絵を描かせ、再度作成指示を出すと違う絵柄が描かれるそうです。
ですから、その絵が自分の思い描くイメージになるまでには、相当の試行錯誤が必要なようです。
簡単なものなら、30分ほどの修正でそれなりの絵が描かれるようですし、上の絵には80時間がかかったということでした。
あるイラストレーターは、「人間が描く絵には、人の念が込められるけれど、AI描画にはそれがない。そこがAIと人の違い」という意見でした。
スピリチュアルの側面から言えば、人が描くデジタル・アートにも、AIが描くアートにも念=オーラは宿ると考えます。
思った通りのイメージが出来るまで作品を修正させ、思い描くイメージを作るために文字を紡ぐ。
そんな作業には等しくオーラが宿ります。AIアートは全く新しい「芸術分野」として成立することでしょう。
いずれにしても、中途半端な「気持ち」で作品に臨む人は、作品にオーラを込められず、技巧面でもAIに劣り、良い作品が創造出来ない……という時代に入って来たのだと思います。
最終的に、やはり「芸術性」を高めるものは「人の想い」なのです。