「成功する人」の条件のひとつに、「自分を理解する」ということがあります。
失敗をしたときにも、「何が問題だったのか、どこで間違えたのか」……それを理解し、次の挑戦に役立てる。「自分に足りないことは何か」……こんな自分の弱点を分析し、その足りないものをどうすれば補うことができるのか。「自分の性格はどんなものなのか」……それを理解して、欠点が広がらないように戦略を立てる。
こんなことが出来る人は人生を楽しんだり、経営に成功したりする可能性が高いと言われます。当然と言えば当然でしょう。
日本の首都「東京」を動かす人々、東京都議会選挙が終わりました。その結果に対する評価は、その立場によっていろいろあることでしょう。それは別としても、結果を表する論点に気になるものがあります。
その中でも、最も「?」と感じられたのが自民党幹部の発言とされるものでした。
結果的に、自民党は議席を伸ばしました。公明党は全員当選を果たし、前回、旋風を巻き起こした都民ファーストの会は議席を落とし、立憲民主党と共産党は議席増という結果です。しかしながら過半数をおさえた勢力はなく、その意味では全党痛み分け……ということでしょう。
その中で、都知事の動きが注目されるわけですが、今回都知事は過労のため選挙期間中に入院。そして投票日前日に現れました。これを評して「戦略」であるという声もあります。体調のことですから、このタイミングに対する評価をすることは不適切だと思っていますが、「自民党に対して正面から対決を挑むことなく恩を売り、ギリギリで都民ファの候補者の顔も立てる」と考える人がいても不思議ではありません。
そんな中での自民党幹部の分析ということで、「今回の都議選は都知事の戦略に負けた!」という声が聞こえてきます。
これには違和感を感じます。
「都知事の戦略に負けた」のではなく、何故、「都民の民意が反映された」と考えないのでしょうか。
ここ一連の、五輪・パラ、コロナ対策に関する政府の迷走は目に余るものがあることは誰しも実感していることでしょう。その「民意が反映された」と考えることはないのでしょうか。また当選出来なかった候補、落選した候補、勢力を増すことが出来なかった党は「自分に対する評価」をどう考えるのでしょうか。
成功する人の重要な条件は「自覚」です。
自覚のない人たちに明るい未来を創ることはできないでしょう。
そんな部分から選挙を眺めてみるのも、私たち一票を投じる民意としては大切なのかも知れません。この後には、国の行き先を決める方々の選挙も待ち受けているのですから。