年末になると行われる恒例行事の一つに「流行語大賞」「今年の漢字」があります。
それぞれ、その年の世相を表すものではありますが、皆さん、昨年2019年に選ばれた言葉を覚えていらっしゃるでしょうか。
私はすっかり忘れていたので調べてみました。
流行語大賞に選ばれた言葉は「ONE TEAM」でした。そういえば、日本は今年開催されるはずだったオリ・パラ大会に向けて一足早くラグビーワールドカップが行われ、盛り上がっていました。
すっかり遠い昔のようです。「今年の漢字」に選ばれたのは「令」でした。元号が「令和」に代わったので「令」。
何とも安易な感じがしますが、そんなものなのでしょう。
そもそも「流行語」ですから、「流れて行ってしまう」言葉。一瞬の世相を表すものなのでしょうからこれはこれで楽しめるものなのでしょう。
さて、今年はどんな言葉と漢字が選ばれるのでしょうか。
言葉は大切なものです。
特に地球の人間は、まだまだテレパシー的な意思疎通は未熟ですから、コミュニケーションにとって言葉はとても大切なものです。そしてテレパシーの片鱗として、言葉には「言霊」、すなわち「人の感情=オーラのエネルギー」が乗り、より素敵なものになって行きます。
流行語は別として、言葉を発するときには「言霊」も意識して発すると、時によっては人生を変えるほどの力を持つこともあります。
言葉が大切なお仕事の代表格が、「政治家」ではないでしょうか。
しかしながら、かなり前から政治家の言葉に重さも言霊も感じられなくなりました。
すでにかなり前のことになってしまいますが、政治がらみで有名なセリフがありました。
それが「記憶にございません」です。
現在だったら間違いなく流行語大賞になったと思われる「迷セリフ」でしょう。政治家の言い逃れの代名詞のように思われていますが、その実は1976年のロッキード事件時に証人喚問に呼ばれた人物が発した言葉でした。
まさに言い逃れの極致です。
こんなことがよくある政界ですが、昨今とても気になる言い回しがあります。
それは「総合的に判断し、適切に対処いたします」です。
11月に入って、コロナの第三波が猛威を振い、国民は絶望感に近い状況ですが、それに対し政治家は「専門家のお話しも聞きながら総合的に判断し、適切に対処します」と言い続けています。
その前の日本学術会議問題においても「総合的、俯瞰的に判断しました」を連発。
よく考えてみると、この「総合的~」という発言は、まったく具体性がなく、極端に言えば「何も言っていない」と同じでしょう。
このような言葉を使う政治家が多いということは、我々国民の民度が落ちているとも言えるかも知れません。
言葉が軽くなるというのは大きな問題なのです。
人生をも変えることが出来る大切な「言葉」です。少なくとも我々自身はこのことを意識して、言霊を乗せた「意味ある言葉」を発したいものです。