夏も、あっという間に過ぎ去ってしまいました。
8月の終わり、久しぶりに、あるショッピングセンターに行く機会がありました。夕方の明るい時間に入り、夕食をとっていたのですが、その時に、ちょっとした違和感を感じました。
それは、「時間の経過がわからない」という違和感です。
いつまでたっても「入ったときの明るさ」が持続しているからでした(照明なのだから当たり前ですが)。
動物は太陽の動きによって活動を変えますので、この「時間の経過がわからない」というのは、実は大変困ったことなのです。
特に「都会」という人工的な環境に身を置いていると尚更、時間の経過がわからなくなります。これは、「人間」という動物にとっても「勘」を失わせる要素となります。
未来創学アカデミーでは、予防健康学の要素として三つのヒーリングを掲げています。
それは「色」「食」「音」によるヒーリング効果です。
色の発する波長によるヒーリング効果。絵などを楽しむとき、その作者の思いを表現した色は「単なる色」ではなく、その色が発する波長は「作者の想いがこもった色」となり、それを鑑賞しているこちら側も影響を受けます。ですから、絵などを鑑賞するときには「それなりの覚悟」も必要なのです。
食にもエネルギーが詰まっています。
現代では、まだ人工的な分子の組み合わせで作る「完璧な食」は存在しませんので、それぞれの食材が持つエネルギーの強さが、人間に影響します。ですから、出来るだけ旬の食材を食することが大切です。
音は基本的に「波動」の塊です。
ですから、これも人間には大きく影響を与えます。自然音である風の音、雨の音、雷鳴、セミの声、秋の虫の音……さまざまな音が人を癒し、発奮させることがあります。人工的な音である音楽なども同じで、人を落ち着かせる音楽、勇気をもらえる音楽などあることでしょう。
この「音」は出来るだけ直接「身体で浴びる」ことが大切です。
自然音は当然そうなるでしょうが、最近の音楽などはイヤホンなどで聞くことが多いようです。事情が許せば、スピーカーで音楽を身体に浴びせることがヒーリング効果は高くなります。
「東京には空がない」と書かれたのは智恵子抄の有名な一節ですが、なかなかどうしてそうでもなく、意識して外を眺めてみると、以外に「空」はあるものです。
朝焼けの空、夏の入道雲をちりばめた空、夕焼けの燃えるような空、秋になると一段と高さを増す空、冬の透明感のある空……。その中には季節感の他に、さまざまな「色」が存在しています。とても人間には描き切れない、赤、紫、青、ピンク、グレーなどの色が刻一刻と変化するさまは感動的です。
「空を見上げる」ということは、一時的にでも「時間を留め」、「時間の経過を実感」し、「季節感」を得、「多彩な色を浴びる」という人間にとって絶大なヒーリング効果を及ぼします。
このコロナ禍、是非「空を見上げ」て人間性を取り戻しましょう。