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拝啓! 経営者の皆様へ

 日本の公立小学校に通う児童のうち、6人に1人が貧困だという話題を聞きます。

 

 相対的貧困率は16・3%(2014年発表)といいますから、この数字は実態でしょう。

 国民の平均的な生活を下回る生活をしている子どもたちがこれほどいるということです。

 

 子どもが幸せでない国は滅びる! と思う方は多いと思います。

 

 この惨状の直接的な原因は何なのでしょうか。

 

 人に必要なものは「経済」と「教育」だといわれています。

 テロや紛争が頻発する社会で、子ども達は命を奪われ、親を奪われ、家を奪われ、知識を蓄える教育を奪われます。

 貧困は憎しみの連鎖を生み、復習のための間違った教育はテロの温床に育ってしまいます。

 

 こんな社会を誰が望むでしょうか。

 

 そして、教育の前提として必要なことが「経済活動」です。

 まずは目の前に「食」があるかどうかが人間が生きてゆく上でもっとも重要な要素であることは間違いがありません。何よりも貧困をなくすことが、教育を充実させる上でも必要だと感じます。

 

 以前から私は、「経営者は聖職者である」と思っています。

 社会に豊かさをもたらす経済をリードする人材だからです。だからこそ、未来創学アカデミーの設立当初から「経営者懇談会」を開催し、宇宙的な視点と考え方をお伝えしようとしてきました。

 

 そんな大切な「経済」ですが、最近不安定な要素が目立っていることが気になります。

 「経済を社会のために」と考えていらっしゃる経営者は多いと思いますが、「お金」というのは大変な魔力も持ち合わせているようで、「富のためにはなんでもする!」という人々がいることも現実でしょう。

 

 このような考え方が勢力を増してゆくと当然ながら社会に良い影響を与えることはありません。

 これが大きな不安要素です。

 

 今までも、「富は集中する」という傾向はありましたが、特にデジタル技術が発達してきた昨今は、「誰でも額に汗して働きさえすれば平均的な生活が出来る」という図式が崩れました。

 経済的差が広がる傾向が極端になり、ますます貧富の差が大きくなり、教育にもアンバランスが生じます。

 

 これはやはり「大きな問題」といわざるを得ません。

 

 経営は一種の「才能」です。

 

 誰でも「稼げる経営者」になれるわけではないでしょう。

 だからこそ経営者の皆様には「社会的責任」をしっかりと意識して活動していただきたいのです。

 

拝啓 経営者様

 日頃から、社会を豊かにする富を生み出していただき感謝申し上げます。

 つきましては、その類稀なる才能を持って、「皆が稼げる」社会を考えていただけないでしょうか。

 

 強いものだけでなく、弱者も参加出来る仕事を創出する。

 

 これが出来るのは皆様なのだと考えます。

 そして子ども達に豊かな教育が出来る社会にしていただきたいと思います。社会の価値観が激しく変化する時代です。皆様の先見力がますます必要な時代に入りました。

 

 何卒宜しくお願い申し上げます。  敬白